「決済での使用は想定外だった」
最近CMなどでよく見るようになったPayPayなど、現在の社会はQRコードかなり密接になり始めた。
QRコードの発明者・原昌宏氏は、先日、中国メディアの取材に対して、発明後の普及について驚きを語ったようだ。
中国・人民網によると原氏は「QRコードは日本で『生まれ』、中国などで普及・発展した。QRコードの応用シーンがここまで広がるとは全然考えていなかった」と語ったとのことだ。
原氏は、今後もさらに安全で多様化したQRコード技術を研究開発していく意向を示しており、その開発に期待がかかる。
1994年、株式会社デンソーウェーブの開発により誕生したQRコード。
当初、その使い方は主に製造業と物流業の製品管理上の問題を解決のもので、バーコードより優れた情報集積能力と抗汚損性などを備えている。
誕生から25年が経ち、当時の主な発明者の原昌宏氏は「QRコードの生みの親」と呼ばれるようになった。
原氏は、現在もデンソーウェーブでQRコード関連の研究開発に従事しているようだ。
13日には、騰訊(テンセント)社東京事務所で中国メディアの取材に応じ、QRコードの今後の展望について語ったという。
このQRコードだが、特許はとっておらず、その理由を原氏は「広く応用してもらうため」としている。
また、「技術者として、自分の発明がこれほど広く社会に応用されて非常にうれしく思う。もし当初特許使用料を取っていたら、QRコードはここまで普及しなかったかもしれない」と特許を取らなかったことのメリットを語っている。
微信支付(WeChatペイ)など中国発のQRコード応用技術の導入は日本でも進み、多くのコンビニなどで見かけるようになった。
原氏は訪中経験はないが、QRコードが中国の道端の物売りから路線バスなどの公共交通機関にまで普及していることを知って、「QRコードがここまで一般市民の生活に浸透するとは想像していなかった」と驚いていた。
この取材動画を見た中国SNSでの反応
この中国メディアによる一連の取材動画は新浪微博(Weibo)に投稿された。
すると中国のユーザーから「本当にありがとう。これは人類に役立つ発明だ」、「ありがとう。QRコードは本当に便利」といった発明に対する感謝の投稿が寄せられたようだ。
また、原氏が取材中に「中国では高齢者のスマホ利用の問題をどう解決したのか」という質問をしたようだ。これに対して中国のユーザーたちは「中国の高齢者は、QRコードで決済するとお得だと聞いたら、あっという間にマスターした」という技術に対する高い関心を持っていることがわかる回答が寄せられた。
日本と中国の現在の成長の違いはここにあるのかもしれない。
「新しく何か出てきたけどわからないし、そのままでいいや」というその場から動かない日本の考えと、「新しい技術は何やら便利そうだから使ってみよう」というまずはトライする中国の考えには明確な違いがある。
それが今日のキャッシュレスの普及率の低さなどにも、つながっているのではないだろうか?
古き良きものもあるのは間違いないが、移り行く時代の波に乗り、それを取り入れ自分自身の生活に革新をもたらすことも時には必要ではないだろうか。
今を生きるとは何か、目まぐるしく進むこのネット社会でもう一度考えてみたいものだ。