ごみ箱「誤訳」で深まる日中関係

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「ペット」をごみ箱に捨てるという、とんでもない誤訳。

語訳を改善したことで、社会貢献したちょっぴり笑える日本と中国のほっこりエピソードがあった。

中国人が日本に観光に来て、よく悩まされる問題の一つに「ごみの分別」の習慣がある。日本のごみの分別は中国人から見るとかなり厳しいようで、ごみの分別についての勉強も必要になるという。
文化や習慣の違いというものは、なかなか理解に時間がかかるもので、ごみの分別においても、それは例外ではないということだ。

中国の大学生・潘呈さんもその一人で、ごみの分別に困ったそうだ。

ある日、日本に旅行に来た潘さんは、ペットボトルのごみ箱を探していたそうだ。しかし、観光地に置いてあるゴミ箱を見つけて、潘さんは目を疑ったという。

ゴミ箱に書いてあったのは、中国語で「寵物.瓶子」という文字。
一見、ごみ箱を意味する「寵物」とボトルを意味する「瓶子」が組み合わさっていれば「ペットボトルのごみ箱」と訳せそうだ。
しかし、これは大きな間違いで、このままだと「ペットをごみ箱に捨てる」という意味になってしまうそうだ。

この他に、笑える誤訳を至る所見つけた潘さんは、何とか誤訳をなくして中国から来る旅行客が快適に日本を旅行できないかと考え、インターネットを通じて正しい翻訳を提供することにしたのだという。

彼はこの経験を作文にし、「中国人の日本語作文コンクール」に応募して見事に最優秀賞の日本大使賞を受賞したというのだ。

12月12日午前、北京市でその表彰は行われた。

この表彰式に出席した横井裕・在中国日本国大使は、「すべての作品を読んだ後、今回の最優秀賞を選んだ。最高賞を受賞した潘呈さんは東京を訪問した際、中国語の誤訳を発見し、そうした誤訳を解決するために、日本文化や東京オリンピック・パラリンピックに関する用語の正確な翻訳をSNS(ソーシャルネットワークサービス)などを通じて提供するサービスを実現したいという夢を抱いた。潘さんは『東京2020大会に、かなえたい私の夢!』というテーマに沿って、自らの日本での経験を活き活きと描き、自ら設定した課題に具体的で実際的な解決策を提示した。そしてそれを非常に高い水準の日本語で表現した。このことが、潘さんの作品を日本大使賞に選んだ理由だ」と作品に対しての思いを語った。

さらに、「本年、日本では『令和』時代が幕を開け、そして新中国も成立70周年を迎えた。日中が共に新たな時代を迎えるなかで、入賞者をはじめ、出席された方々が、引き続き日本語をはじめとする各分野での研鑽に励まれ、日中関係の担い手、両国の間の架け橋となっていただきたいと思う」と述べたとのことだ。

この度、各カテゴリーで三等賞以上に入賞した計81作品は、「東京2020大会に、かなえたい私の夢!」として11月下旬に日本全国で発売された。作品集の中には、中国の若者たちのリアルな「本音」や「生の声」があり、日中関係の明るい未来の可能性を感じることができるとのこと。

「誤訳を見つけて改善する」なんて国レベルで見ると小さなことかもしれない。
しかし、この小さな積み重ねが、国レベルでの相互理解へ大切な第一歩になることは間違いない。

このように身近なことから歩み寄り、文化を理解しあった関係性が築きあがる未来を信じて、彼のように活動する人を応援したい。

表彰を終えた潘さんは、招待を受けて来年2月上旬から1週間日本に滞在するようだ。

参考: http://j.people.com.cn/n3/2019/1213/c206603-9640527.html