微博(Weibo)で中国向けにPRする神戸市と青森県
中国人インフルエンサーを起用し、微博(Weibo)公式サービスでPR。
神戸公式観光サイト「Feel KOBE」を運営
神戸国際観光コンベンション協会は、公式観光サイト「Feel KOBE」を運営している。
同サイトは、前編英語によるプロモーション作成が施されており、YouTubeに動画を配信し、インバウンド誘致に尽力している。
2017年3月より、それまで行えていなかった中国語圏へのPRを強化する施策を講じ、微博(Weibo)のサービス「秒拍(Miaopai)」に、以前YouTubeで作成・投稿した英語動画の中国語字幕をつけたものを投稿した。
また、その際の動画は「旅行」や「日本」といったトピックに強い15人が選出され、中国人に受けやすいように編集制作されたという。さらには、その15人のアカウントで一斉にシェアしたので高い拡散力をもったPR活動になったはずだ。
動画配信の結果、微博(Weibo)や秒拍(Miaopai)での再生回数は、たったの3日間で320万人を突破したのだという。
神戸に行ったことがない人や神戸という町を知らない人だけでなく、すでに神戸旅行をしたことのある人にも反響があり、神戸市の認知度は一気に高まったといえるだろう。
すでに存在する動画も編集と発信のしかたを工夫するだけで、一瞬にして中国人受けするものに変換できる。
このようなやり方も、中国で販路を広げるための有効な手段だろう。
出典:https://honichi.com/cases/measures/influencers/influencersxlocalgovernments/
中国人KOLの発信した動画シリーズで認知度拡大した青森県。
訪日中国人の代名詞「北海道」の微博(Weibo)フォロワー数18.6万を上回る青森県
訪日中国人に好まれる北海道。それを凌駕するお隣さんの青森県。
その認知度の背景には、中国人KOL「モンちゃん」の存在があった。
青森県に関連する微博(Weibo)のハッシュタグには 「#青森旅行#」「#青森#」などがあり、前者が1,223万ビュー、後者が732万ビューを記録している。
青森では、「青森ねぶた」という祭りが8月上旬に開催されており、毎年延べ200万人以上の観光客が訪れるという。歴史と伝統を感じられるのはもちろんのこと、色彩鮮やかな山車などが派手好きの中国人を魅了していることが考えられる。
しかし、それだけで青森県の認知度が向上したとは考えづらい。
ここでカギを握るのが人気インフルエンサーの情報発信だった。
KOL「モンちゃん」の動画シリーズ配信の反響
中国人KOLのモンちゃんとは、大連出身の女性で本名は金夢という。「福原愛ちゃんに似ている」とも言われているようで、その点もKOLとしての人気につながっていると思われる。
モンちゃんは『一路青森,小梦帮倒忙!』(一路青森!お助け!?モンちゃん!)というタイトルの動画シリーズを2012年に公開し、現在もその動画主要動画サイトに残っているという。
この動画を視聴した中国人が興味を持ち、青森県の訪日対象としての人気が高まり、北海道の微博(Weibo)フォロワー数を超えるに至ったのだ。
このことから、中国人KOLが持つ影響力の高さが窺える。
チャンス到来と課題
青森県は、見事KOLの存在と中国人受けする伝統文化でチャンスをつかみつつある。これに加えて、中国人の「定番ルート離れ」もいい追い風になりそうだ。
訪日中国人の増加に伴い、中国SNSでは日本で自分と同じ中国人に会ってしまい、旅行気分が損なわれる声が散見される。それが、ゴールデンルートや北海道などの人気スポットから離れ、ニッチな観光地への憧れにつながっている。
また、台湾からの直行便もできたことによって、中国だけでなく台湾市場にも販路拡大できるチャンスが広がっている。
しかし、その反面で日没後の遊べる場所の少なさや公共交通機関の未発達・利便性の悪さが課題となっている。
出典:https://honichi.com/news/2019/09/18/marssseminar/
地方創生に向かう
インバウンド誘致に向けたインフラ整備は…
少子高齢化や過疎化の進行が深刻になり、新たな対策としてインバウンド誘致に取り組む自治体も増えてきた。
地方創生を掲げ、海外販路にその道を見出していくうえで、インフラ整備は必要不可欠だ。
上記でもあげたように、波に乗る青森県もそれが大きな課題となっている。
青森県以外の地方もこれらの課題には悩むところがあるだろう。
公共交通機関の整備、Wi-Fi完備、 夜の街…と挙げれば切りがないが、この課題は非常に重要なことである。
インバウンドとインフラは同時進行で開拓していく必要がありそうだ。