懐かしさを配信する中国の女性KOL
ある国の田舎の生活にどれだけの人が興味を持つだろうか。
同じ国の人でも、その生活への興味というものは、あまり持たないのではないだろうか。
しかし、中国・四川省に住むある女性ビデオブロガーの田舎の生活には、世界から多くの興味関心が集まっている。
彼女が持つ海外の動画共有サイトのアカウントには、数百万人のフォロワーがいて、動画へのアクセスは数百万から数千万回に達するという。
彼女のSNSには、ちょっとした特徴がある。
それは、動画に寄せられる批判コメントが非常に少なく、そのほとんどが応援コメントだということだ。
では、彼女の投稿する動画とはどんなものなのだろうか?
その発信内容は、田舎のスローライフそのものだ。
3月は咲き誇ったモモの花から酒を造り、5月は旬を迎えたビワの菓子を作り、手すき紙作りをしたり、カイコを飼育して真綿作りをしたり、家庭料理を作ったりと、中国の農村の穏やかな生活を発信しているようだ。
この時間の流れをゆっくりと感じさせる動画が、観る人たちからの親しみと昔ながらの懐かしさを感じさせているのではないだろうか。
また、おばあさんとの暮らしの動画には、おばあさんの長生きとその童話のような世界での生活が末永く続くようにと願うコメントも見られた。
登場するもの全てから生活感がにじみ出て、人生山あり谷ありといった感覚が伝わってくる。勤勉で自然をこよなく愛し、手がガサガサになってしまうほどしっかり「生きている」。そんなひたむきさが、国を超え、文化の全く違う多くの人から共感と励ましの言葉が届くのだろう。
中には、この動画を翻訳してくれという人達もいるようだ。
SNSの普及で、「face to face」 の機会が減っていると日本では嘆かれてきた。
しかし、その普及がなければ、このような国と文化を超えた共感は起こり得なった。
まだまだSNSの歴史は浅い。
だからこそ、まだ見ぬ可能性を秘めているはずだ。
このようなSNSの動画配信が、今後、世界中の心の架け橋になってくれることを強く願っている。
参考: http://j.people.com.cn/n3/2019/1213/c206603-9640300.html