公共交通機関等の出入口は1つだけ
世界的に感染が拡大する新型コロナウイルス。
中国ではその感染防止に向け、外出規制以外にも公共交通機関での体温検査などを行い、観戦者の早期発見に努めている。その公共交通機関の出入口には、いつもと違う光景が見られた。
関所を設けた体温測定
新型コロナウイルスによる初の感染が確認された中国では、想像を絶する勢いで感染者が増加した。
今もなお、その感染は拡大している状況で、感染の収束はいつになるのか見通しが立たない状況である。
この現状を受け中国政府は、公共交通機関に関所を設け検温することでコロナウイルス感染者の早期発見と感染拡大防止を図った。
検温のため出入口を封鎖
公共交通機関と言えば、あらゆる方角からの出入口があり、目的地によって出入口を使い分けるというのは当たり前の光景だ。
しかし、現在の中国では検温の関所を構えた出入口を除き、全ての出入口が封鎖されている状況だ。
これにより、公共交通機関利用者は検温を受けなくては交通機関を利用することができなくなるわけだが、政府としては熱がある人(コロナウイルス感染の疑いがある人)を確実に把握することができるため、有効な手段と考え取り組んでいるのだろう。下記は現地の様子だ。
このように鉄柵で完全に出入口を封鎖している。
また、その下が検温と通行制限を設けている状況の写真だ。
検温を受けてもらうため一部道路を通行禁止とし、異常があれば出入り禁止としている場所もある。その警備員たちもマスクとビニールカバーで体を覆い、感染に充分注意を払っている。
熱がある場合は?
さて、この関所で検温をして熱があった場合、彼らはどうなるだろうか。
その答えは「病院へ強制送還」である。
厳密には隔離棟への強制送還と言った方がいいかもしれないが、まずは検査を受けて陽性であれば隔離されるという流れだ。とにかく他の人と接触しないようにすることを最優先事項としており、感染者もしくはその疑いのある人は隔離されるというのが現状である。
外出は最低限に
外出を極力避け、人とあまり接触しないように、また集団・濃厚接触を避けるように声掛けが行われる日本だが、中国はもはや不要な外出は厳禁となっている。
その外出制限はどのようにして行われているのか。さらに、マスク不足の中国のマスク事情は…
出られるのは一家に1人、週に2回
驚く人も多いだろうが、中国は外出できる人数とその日数も制限されている。
一家族で外出可能なのは1人だけで、しかもその頻度は週に2回という強烈な内容である。日本での、外出や濃厚接触を避けるよう注意を促すレベルとは訳が違う。
※旧正月時点。地域によって規制に違いあり。
正直ここまでできるのは中国ならではかもしれないが、それくらいしないといけないレベルにまで来ているということが伝わってくる。
マンションの管理人が通行証制度で厳しく監視
先程、公共交通機関では検温が行われ、熱がないことを確認しない限り通行できなかったが、中国の人々が住むマンションでも厳重なチェックが行われている。下記の写真は、マンションに入るための通行証だが、マンションを出入りする前に体温を測り、熱がない場合これを管理人からもらい通行が可能となる。
この通行証がない場合は通行することができないので、注意書きにも「2日に1回、1人1枚大切に保管してください」と記載してある。自分の住むマンションに入るのも容易ではないのが、今の中国だ。
そして、これがマンションを通行する際の光景である。
これだけ厳しいルールを設けている中国だが、なかなか収まらないコロナウイルス。改めて新ウイルスの脅威を感じる。
深刻なマスク不足で…
日本でも続くマスク不足。
中国では政府が供給のペースを決めているため、一般の市民に供給ペースはわからないとされている。中国のドラッグストアで働く友人も、マスクと消毒液だけはいつ入ってくるか全くわからないと言っている。
そのため、マスクがない彼らは、使い捨てマスクを洗ったりして再利用するなど、非常に厳しい状況が続いている。
まとめ
最近は、日本で「マスク不足がティッシュペーパーやトイレットペーパーにも影響する」というデマが流れ、それらが店頭で品薄になるという事態を引き起こしたが、冷静に情報を処理し正しい判断をしていただきたいものだ。
一歩引いてみれば「マスク不足=ティッシュ・トイレットペーパー不足とならない」のはわかるはずだ。SNSで簡単に情報が手に入るようになった現在、その判断を間違えてしまえば悪意がなくとも本当にそれが必要な人たちを困らせることになる。
真の悪は、そのようなデマを流す人間であることは間違いないが、ただ垂れ流された情報を自分でしっかりと処理をせず鵜呑みにし、自分だけ良ければそれで良いという精神で買い占めるというのもいかがなものだろうか。正直、この現状を見た外国の方々は日本を「おもてなしの国」とは思えないだろう。
自分の利益のみを考えた悪意ある転売も、正しい情報処理を怠った私利私欲にまみれた買い占めも、真にそれを必要としていた人たちからすれば同じ被害だ。
未曾有の状況が続いていることはわかる。中国現地も大混乱に陥っている。そして、世界も感染の恐怖に慄いている。
しかし、こんな時だからこそ手を取り合って助け合うことが必要なのではないだろうか。
新型コロナウイルスの感染がいつになれば収束するのか検討もつかないが、少なくともこの異常事態を乗り切るのに「協力」の二文字が欠かせないのは間違いないだろう。