中国のおもしろいEC代行ビジネス「雪にメッセージを代筆」

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出典:http://j.people.com.cn/n3/2019/1121/c94475-9634320.html
雪が降らない南部の人々から人気

今日、中国で人気の代行サービスが話題となっている。
その代行サービスとは「雪にメッセージを代筆」というユニークなもの。
なぜ、このようなサービスが話題になっているのだろうか。

真っ白な雪の上に、恋人や親友にメッセージを書くというのは、中国の北部に住む人にとっては、子供の頃からの文化の一つだという。

しかし、ECプラットフォームが発展している現在、「雪にメッセージを書く」ことがビジネスとなり、話題となっている。
北京青年報は、最近、中国の東北地方で大雪が降り、「雪にメッセージを代筆」を提供しているショップに多くの注文が殺到していることを報じた。

SNSのトレンドにもランクイン

11月19日、SNSのトレンドに「雪にメッセージを代筆」がランクインした。
同サービスを提供するショップによると、「南部に住む人のために、雪にメッセージを書き、料金は1文字2元(1元:約15.5円)。最終的な料金はケースバイケース」という。

取引は、ネットでメッセージの内容を決め、十数分で文字を作成し、そのメッセージを写した写真が送られて来て完了となる。

フリマアプリ・閑魚で「雪にメッセージを代筆」サービスを提供する女性は、「お金儲けのためではなく、面白いからやっている。3日間で、20件ぐらいの注文があった」と話している。

微博(Weibo)で見かけたのをきっかけに、遊び心から「雪にメッセージを代筆」を始め、予想外にも数日で約40件の注文が入ったという女性もいるようだ。

雪が降るというのは、北部に住む人々にとっては見慣れた風景だが、南部で育った人にとっては「未知の世界」のことだ。
北にない需要が南に存在し、収益化に至っている。

前述の女性によると、「ほとんどが恋人へのメッセージや告白のメッセージ。告白の場合は、1回につき5.2元」だという。
これは「愛している」を意味する数字が「520」なので、それに由来しているとのことだ。

他にもある!おもしろいEC代行サービス

「雪にメッセージを代筆」のほか、ECプラットフォーム上には、まだまだおもしろいサービスが溢れている。

例を挙げると、カロリーを気にすることなく話題のミルクティーを飲んだかのような写真を手に入れられる「代わりにミルクティー飲みます」や「代わりに野良猫にエサをあげて動画を撮影します」などである。

また、北部の「雪にメッセージを代筆」、南部に住む人も対抗し、冬に半袖で暮らす体験を代行する「代わりに半袖着ます」というサービスを始めている。あるメディアの報道によると、これまでに「代わりに雪だるま作ります」というサービスも登場したことがあったそうだ。

これらの「代行サービス」が流行について、ある専門家は、「都市、特に大都市では、前期工業化消費から、後期工業化消費へと移り変わっている。その顕著な特徴の1つが、若者が消費シーンにおいて、実際の必要性だけでなく、自分の個性を表現することをより重要視するようになってきていること」と、その背後には消費発展動向の変化があると分析している。

中国ECにおける市場獲得の可能性は、案外目の前に転がっているかもしれない。

参考: http://j.people.com.cn/n3/2019/1121/c94475-9634320.html