中国の密かなブーム「昼休み経済」

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昼休みの過ごし方改革

皆さん、お昼休みはどのようにお過ごしでしょうか?
筆者は昼食後、スマホアプリの野球ゲームを少ししたら、音楽を聴きながら15分ほど仮眠をとります。
今となっては、少年時代にお昼になると運動場で騒いでいたことが信じられないですね。

中国の経済日報によると、最近「昼休み経済」という昼休みの過ごし方改革が密かなブームになっているとのことだ。中国のサラリーマンたちは、昼休みに「デスクでちょっとうたた寝する」という過ごし方では、満足できなくなっているようだ。

彼らは、昼休み用にグッズを購入したり、オフィスビル、コンビニ、商業施設などで買い物したり、美容サービス、トレーニング、リラクゼーションで昼休みを満喫している。
これらの消費行動は、各サービスの利益拡大につながっているようだ。

しかし、この「昼休み経済」、具体的にはどんなことをしているのだろうか。

まず最初の例は「昼寝の神グッズ」購入だ。
昼食後の仮眠は、午後の業務が円滑になるため、多くのサラリーマンが実践している。オフィスでよく眠れるようにするため、ネックピロー、アイマスク、耳栓、ブランケット、折りたたみベッドなどの「昼寝の神グッズ」を利用しているようだ。この市場は、相当な規模になっているそうだ。

次に、美容・娯楽関連の消費だ。
昼休みに心身をリラックスさせるため、2時間の休憩時間を利用して美容サービスを受ける、トレーニングをする、商業施設をブラブラする、映画を見るなどしているようだ。このため、平日の昼間は北京の美容院の予約がいっぱいだそうだ。(筆者は2時間の昼休憩に一番驚いている。)

ネット通販の「手切族(ネット通販にのめり込み、買い物が止まらないので、いっそ手を切り落としてしまいたいと考える人々のこと)」になる人もいる。彼らのおかげで、平日の午前11時から午後1時まではEC閲覧のピーク時間だという。

微博(Weibo)や微信(WeChat)などのSNSでは、多くの商業施設が昼休みの時間帯に新製品のお知らせ広告を打ち出したり、販売促進キャンペーンを展開したりしている。
これは、昼休みの経済法則をうまく活用している良い例だ。

最後は「充電」すなわち学習だ。
昼休みに会社近くの研修に参加したり、近くの書店で本を読んだりして昼休みを学習に充てる人もいるようだ。

変わりゆくライフスタイル

所得水準の向上にともない、生活におけるニーズは多様化し、新たなライフスタイルが確立されてきている。これにより、消費の新モデルが増えてきているのは言うまでもない。

海外では、サラリーマンの仮眠が盛んになるにつれて睡眠業界が著しく成長している。米マッキンゼー・アンド・カンパニーは、報告書の中で「米国の睡眠業界の2017年の価値は300億ドル(1ドル約108.0円)から400億ドルで、さらに伸び続けている」と伝えた。

新たな消費を生み出している「昼休み経済」だが、成熟した「休日経済」などの集中的消費の流れに比べれば、まだ初期段階だ。
前述の「昼寝の神グッズ」もEC上では盛り上がっているが、実店舗では昼休み用の商品もイベントもあまりない。

また、「昼休み消費」市場を積極的に開拓する商業施設の多くは比較的小規模で、大規模な商業施設の参入がないことも課題だ。
だが、今後の「昼休み経済」が秘める潜在能力には期待したい。

中国の「昼休み改革」の成長と同時に、日本の「働き方改革」ももっと抜本的に見直し、やらなくてはいいこととやるべきことをハッキリさせた上で業務量の適正化に臨んでいただきたいものだ。

時代の流れに沿って、経済は動いていく。古いやり方や決めつけから、新しいことへの対応が必要になってくる。業務や休憩に対する取り組み方や考え方も、時代と一緒に変わっていくべきではないだろうか。

参考: http://j.people.com.cn/n3/2019/1104/c94476-9629139.html