一人用の商品が巻き起こす「ミニ旋風」
中国・工人日報の報道によると、「2017年には中国の成人単身男性が2億2200万人に達し、総人口に占める割合は15%になった。このうち約半数が20〜29歳で、経済的理由で一人でいることを余儀なくされている人もいれば、主体的に一人を選択した人もいる」とライフスタイルの変化を伝えた。
この「単身者志向」が、単身者の増加につながり、新たな消費トレンドといえる「おひとり様経済」を生み出している。
天猫(Tmall)よると、過去10年間で大きな家具から小さな化粧品までの日用品のサイズが小さくなり、需要が高まっているようだ。
ミニ電子レンジの売り上げは970%増加し、ミニ洗濯機は630%増加、一人用火鍋は200%増加…とすべてお一人様サイズの「ミニ旋風」が巻き起こっている。
自分を喜ばせるための消費が生んだ「月光族」
中国の国金証券消費高度化・娯楽研究センターの調査では、一線都市(政治・経済活動における重要な大都市)の単身の若者のうち、毎月の給料をその月にすべて使い果たす「月光族」は43%で、新一線都市では40%、三線・四線・五線都市では67%を超えたという。
このデータから、都市の等級が下がり月収が少なくなるのと反比例して、「月光族」が大幅に増加する傾向がうかがえる。
価格ではなく品質を求め「自分への思いやり」という名目で自由な消費を追求する単身者が激増しているのだ。
単身者層には高い購買力と強い消費意欲があり、娯楽、外食、教育などの企業が熱い視線を注ぐ「独身貴族」であることは確かだが、専門家は「おひとり様経済」から「おひとり様の苦境」への転落を懸念しているようだ。
中国では、若者が恋愛も結婚もしないことがトレンドになりつつあるが、長期的には出生人口、世帯構造、人間関係といった面で一連の社会問題をもたらす可能性があると指摘されている。
ライフスタイルは多様化し、それぞれの生き方を尊重される時代になったが、もしこのまま中国の単身者が増加し続ければ、日本の比にならない規模の少子高齢化が訪れる危険性があるのではないだろうか。
参考: http://j.people.com.cn/n3/2019/0314/c94476-9556179.html