訪日外国人の感じていた24時間営業の恩恵
日本でコンビニの24時間営業の是非が問われている今日、中国では24時間営業のコンビニが終了に向かう傾向が強いことに、寂しさを感じるような声が上がっている。
中国・経済日報では「日本を旅行すると、街角のあちらこちらに非常に便利な商業施設・24時間営業のコンビニエンスストアがあるのを目にする。主要な交差点やオフィスビルの1階には必ずコンビニがあり、飲料品、パン、弁当、アルコールから、電池、ノート、シャンプー、靴下、下着などのこまごましたものまで、日常生活に必要なものは何でもそろっている」と日本のコンビニについて伝えられた。
「できないことはない」日本のコンビニ。
そんな風に中国では呼ばれているが、深夜営業時間帯の人手不足が深刻で、外国人労働者の採用などで補おうとしたが、その人件費に見合った売上が見込めず、24時間営業終了へと向かうことになっている。
また、労働基準法を逸脱した店長のシフト問題もあり、その労働時間も深刻な問題となっている。
経済産業省の調査によると、店長の80%以上が1週間に1日も休めず、約30%が連日12時間以上働いているという。
これを受け、大阪府のあるコンビニが深夜営業をやめたところ、人件費の削減により、店舗の利益は減少するどころか増加したという。
働き方改革がトレンドになっている日本は、政府から各コンビニ本部に働く人々の権利を守るよう呼びかけられ、メディアもその健康面に注目するようになっている。
無人コンビニの導入もトレンドに上がっているが、国内でそれを不安視する声も多い。日本人がそんな状況なのに、訪日外国人たちは旅行に来た時に困ったりしないだろうかと心配になる。
これまで訪日した外国人観光客には、少なからず「便利な24時間営業のコンビニ」のイメージがあるわけで、今後はそれがなくなることへの認知と理解をしてもらうことも必要になってくるのではないだろうか。
セブンイレブンは「来年1月より、現在は8店舗で試験的に行っている営業時間短縮モデルを75店舗に拡大して実施するとともに、将来は試験的短縮の結果を踏まえて全面的に展開する」と発表している。
同じように、ローソンも120店舗で深夜営業をやめ、ファミリーマートでは、「2020年3月から全加盟店1万6000店に対し営業時間の短縮を認める。短縮の方法としては毎週1日を休みにする、毎日午後11時から翌日の午前7時までは任意に営業をしないなどがある」との方向性を定め、深夜営業終了に動いている。
一部のコンビニでは、24時間サービスのイメージを保つため、24時間営業を続ける店舗に対して毎月10万円から12万円の奨励金を支給するとしているようだ。
中国・人民日報では、「さようなら!日本の24時間営業コンビニ」と深夜営業終了に別れを告げている。
今後、24時間営業のコンビニの減少が訪日外国人の旅行に、何かしらの影響を及ぼすことも「無きにしも非ず」である。
参考: http://j.people.com.cn/n3/2019/1211/c94476-9639705.html