2019年も大盛り上がりの「独身の日」中国ECセール

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出典:http://j.people.com.cn/n3/2019/1114/c94475-9632180.html

アリババ取引額4兆超えの大盛況

成長が止まらない中国ECサイト

11月11日は独身の日。
この日は毎年、中国ECサイトの大規模セールが開催され、1年の中で最も売上が高くなる日でもある。

中国ECサイト最大手のアリババグループが運営する天猫(Tmall)では、この日1日だけで2,684億元(約4兆1,000億円)を記録し、過去最高の取引額となった。前年の2,135億元からの伸び率は25.7%で、18年の伸び率(26.9%)と同等の成長となった。

また、天猫(Tmall)に次ぐシェアを持つ京東(JD.com)も2,044億元(約3兆1,000億円)と過去最高を記録した。

アリババグループの取引額が初めて1,000億元を突破した2016年「独身の日」の画像

中国本土でECモールの出店を請け負うとある会社の社長は
「中国ECサイトは成長を続けており、今後も成長が続く見込みだ」
と語っている。

同社の調べでは、天猫(Tmall)の人気商品はスマートフォン、家電製品、化粧品で、京東(JD.com)はスマートフォン、時計、パソコン、建築材料、電気製品だったようだ。

中国ECサイトは毎年のように2桁伸長を続け、その成長は止まることを知らない。
今後もその成長から目が離せない。



安売りから定着化へ、日本企業の戦略の変化。

「独身の日」のイメージは、上記の記事を読んでもらってもわかる通り「安売り」のイメージが強いだろう。
2017年には、この「安売り」のイメージを逆手に取った虚偽のセール(実質値下げなし)が約8割の商品で行われ問題にもなった。

また、近年の日本企業の「独身の日」参入は加速し、前年の2018年は多くの企業が安さを売りに出品した。

しかし、2019年の独身の日の日本企業の戦略は、これまでの「安売り」ではなく「定着化」をテーマに取り組む企業が多く見られた。

というのも、安売りだけで市場に臨むと「安いから買おう」という一過性のものになり、リピーター獲得に至ることはあまりない。
これを「この商品が欲しいから買おう」という消費者購買を把握して市場参入することで、需要にマッチしたお客様の獲得、定着化へとつながるのだ。

実際にインアゴーラ社や日本香堂社は、これから伸びそうなまだ身近ではない商品やニーズに合わせた出品で安売りしなくても売れることが予想されるとネット記事の取材に応じている。

独身の日の安売り文化も、新たな視点からのアプローチで新商品や新トレンドの定着の場に変わっていくかもしれない。



SNSを活用した情報収集も今後の好影響?

11月11日、日本のTwitterの毎年のトレンドといえば、メジャーな「ポッキーの日」の他に、プリッツの日、うまい棒の日、ネイルの日、コピーライターの日と様々なものがあがる。

しかし、今年の日本Twitterのトレンドに「独身の日」がひょっこりと現れたのだ。
独身の日に参入する企業だけでなく、日本全体に「独身の日」という文化が広く浸透されつつある証だ。

中国SNSから日本商品の需要を知るサービス「中国トレンドアイテムレポート」がSupership社より開始された今日、Twitterなどで「独身の日」が注目され始めているというニュースはSNS活用の情報収集にも影響を及ぼすことになるだろう。

さらには、中国の情報収集ツールはSNSが主流になりつつある。
SNSを活用したトレンド発掘が、今後の「独身の日」の売上に大きく関わってくる未来もそう遠くないかもしれない。