Yahoo!とLINEの統合は米国GAFA、中国BATHに対抗できるのか?

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日韓が立ち向かう中米の壁

18日のYahoo!とLINEの統合を受けて、RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)は「日本のYahoo!と韓国のLINE(ライン)が経営統合し、中米のIT(情報技術)覇権からの脱却をはかろうとしている」と報じた。

海外メディアでは、「両社は経営統合に際して少しも野心を隠そうとせず、両者による強強連合で『1億人経済圏』を揺り動かせば、中国と米国の大手科学技術企業に拮抗していける可能性がある」と議論が相次いだが、統合の評価についてはマイナスな意見が多い。

中国の環球時報は、「日韓のインターネット企業と中米との開きは非常に大きく、今回の統合がシナリオ通り勝利につながるかどうかはわからない」と分析した。

日本のNHKの19日では、Yahoo!の川邊健太郎社長は18日の記者会見で、「(データプラットフォームが)中米に集中しており、1社の力だけでは追いつき追い越すことは難しいので、『提携』して東アジアに(中米に次ぐ)第三極を構築し、世界トップ3を目指すことにした」と述べ、日韓関係についても「私どもの分析では懸念する必要はない」とした。

また、韓国紙の中央日報の19日の報道では、「同盟を結び、両社の無用な競争をやめる」ためとし、「LINEはチャットアプリやコンテンツの分野で優位に立ち、Yahoo!はEC分野に強みがある」と分析した。

韓国の専門家は、「今回の提携により両社は質の高いビッグデータを入手して米国のGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)、中国のBATH(百度【バイドゥ】、阿里巴巴【アリババ】、騰訊【テンセント】、華為【ファーウェイ】)に拮抗できるようになるかもしれない」との見方を示した。

しかし、両社の時価総額を合わせると約294億ドル(1ドルは約108.6円)で、中国のEC大手・京東集団の478億5100万ドル、検索エンジン・百度の403億7400万ドルと比べても一定の開きがある。

グーグルとアマゾンはそれぞれ約9千億ドル、アリババは約4800億ドル、騰訊は約4100億ドルだ。こうした大手とYahoo!・LINEの新会社との開きは非常に大きく、「第三極」を構築には力不足で達成は難しいのではないかという見解が示されている。

参考: http://j.people.com.cn/n3/2019/1122/c94476-9634657.html