「孤独を癒すペット経済」中国でのペット需要の高まり

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出典:https://usaponn.com/archives/2733
市場規模は2020億元に

現在、中国では若年層を中心としてペット市場が活発になっているという。
インターネットの普及が追い風となり、ペット経済は爆発的な成長を遂げ「孤独を癒すペット経済」と言われるまでになった。

先月11日、独身の日(ダブル11)を迎え、その日のEC取引額でひときわ目を引いたのが、このペット関連商品だったというのも記憶に新しい。
その購入の半数以上が1990年代生まれで、同年代の購入金額のトップに君臨した。

中国の犬・猫飼育数は世界一で、24年に2億4800億匹に達する見込みだという。

また、中国人が2019年に購入したペット関連商品の総額は2020億元(1元:約15.4円)を超え、前年比119%伸長と予想されている。

この市場規模の拡大には、いくつかの理由があると思うが、筆者は主に下記の3点が需要の高まりにつながっていると考えている。

  1. SNSの普及
  2. 独身志向の高まり
  3. プライベートの価値観の多様化

1.に関しては特に説明は必要ないだろう。
SNSを通して、かわいいペットの画像や動画を共有する文化が根付いてきているということである。

2.は日本でも増えてきている志向だが、結婚による家族や親戚とのしがらみをあまり心地よく思わない人が増えたことだ。
「結婚=幸せ」とはならないという考え方が広まり、独身で自分の時間を大切にした方が楽しく生きることができるという人が増えたのだ。

そこで一緒に暮らすのがペットになり、我が子同様に愛を注いでいるというわけだ。

3.においては、対人関係を得意としない人のプライベートの過ごし方の一つとして定着しつつあるということだ。
「友達は裏切るが、ペットは裏切らない」「ペットどんな時もそばにいてくれる」そんな考えが、ペットへの愛を増加しているのではないだろうか。

実際に、そのような文の投稿をネットでよく見かける。
ペットと過ごすプライベートな時間を一番に思っている、そんな人達もたくさんいるということだ。

たくさんの考え方があり、人それぞれのライフスタイルがある。
その中で、ペットがこれまで以上に人間との生活に関わることが増えてきた。
動物と人の共生という面では、非常に微笑ましい。

ただ、ペットの世話を見切れなくなったとして、ペットとして飼っていた動物が殺処分に至るケースも増えているのは事実だ。
命を預かる以上、その責任は最後まで果たしていただきたいものだ。

それでこそ本当の人とペットの共生、ペット市場の拡大だと筆者は考えている。

参考: http://j.people.com.cn/n3/2019/1212/c94476-9640063.html