抖音(TikTok)が地方都市のECを盛り上げる

2009
ECを地方都市が盛り上げる。それをつなぐのがTikTok。

中国ECサイトで圧倒的なシェアを誇るアリババグループ。
そのアリババが地方都市でのEC強化を宣言した。
この背景には、地方都市の消費者動向にあった。

地方都市の消費者は、お手頃な商品を見つけたら、そのリピーターになる可能性が大都市の消費者に比べて高い。
これは、地方都市の小売店の少なさに起因していると考えられる。

アリババはこのような地方都市の消費者動向から、地方都市がEC市場のさらなる活性化のキーマンになってくると考えたのだろう。

そして、この地方都市とECサイトをつなぐのが抖音(TikTok)だ。

抖音(TikTok)の登場によって、地方都市の人間は大都市の人間の生活を知るようになったと言われている。
抖音(TikTok)の圧倒的な動画投稿の手軽さと拡散力が、コミュニティを広げたのである。



近年、ライブコマースという、ECサイトにライブ配信の動画をアップし、それを観ながら消費者は購入できるというショッピングの仕方が話題になった。
このライブコマースが売上拡大につながったのだが、抖音(TikTok)はライブコマースのような可能性を秘めているのだ。

というのも、抖音(TikTok)によって中国の地方とのコミュニティが広がり、さらにはECサイト「タオバオ」が2018年3月より商品販売広告のリンク機能が実装されたのだ。
この連携により、タオバオ、天猫(Tmal)は売上拡大に成功している。

微博(Weibo)なども巨大SNSとして知られているが、抖音(TikTok)の大きな特徴は他の人気SNSに比べてフォロワーに比例していいねがつきやすいことにある。
抖音(TikTok)は動画編集の手間もかからず、即配信・拡散することができるため、視聴者もリアルタイムで反応しやすくエンゲージメントを獲得しやすいのだ。

そのため、「フォロワー1万人以上」などのインフルエンサーであることを条件に中国ECサイトがテスト運用したのだ。
実際にその成果は出ており、中国ECサイトが一番盛り上がる11月11日(独身の日)の大型セールで、「口紅10万本販売達成」というインフルエンサーも現れた。

海外販路拡大を視野に入れる日本が、これに取り組まない手はないだろう。
越境ECによるEC市場への進出と、抖音(TikTok)を使ったインフルエンサーマーケティングで売上拡大の可能性は高い。

ショートムービー+インフルエンサー+越境EC
といった、新しいビジネスモデルが、今まさに確立されようとしているのだ。