日本の姿勢転換に中国が感じること RCEP

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インドが参加しなければ日本も参加しない

日本は「RCEP(東アジア地域包括的経済連携)にはインドが含まれなければならない。経済、政治、潜在的国家安全保障のいずれの観点からも、これは重要なことだからだ」と表明した。
これは、インドがRCEPに参加しない場合、日本も参加しないということになる。

RCEPは、参加15か国でGDPは29兆ドル、輸出額は5兆6000億ドル、外資導入額は3700億ドルになり、いずれも世界全体の約30%を占める。
これを日本が破棄しようとしていることに疑問を抱く中国。

この日本の姿勢転換について、中国は2つの動機を見出しているようだ。

1.一旦退くことで、インドをRCEPに復帰させる。

CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)や日EU経済連携協定(EPA)をすでに結んでいる日本にとって、RCEPは両協定と比べ広大な市場に魅力がある。

「13億以上の人口を擁し、経済規模も南アジア最大のインドが抜ければ、日本にとってRCEPの実質的価値はかなり下がる」からというのが、中国の見解だ。

実際に、日本の報道でも安倍首相はインドを訪問し、モディ首相にRCEP交渉への復帰を働きかける考えを示している。
これが動機の裏付けとなっているかもしれない。

2.アジア太平洋地域で中国の影響力を牽制し均衡を図る。

参加10ヶ国中、最も規模が大きい国は中国だ。
日本としては、中国の影響力の抑制にインドが必要になっているのではないか?という見解だ。

中国現代国際関係研究院の劉氏は「日本はインドが参加しない構造がどのようなものなのか、中国とどのような競争になるのか、そこで主導権を握れるのかどうかを検討する必要がある。つまり日本は地域の主導権争奪をあきらめたことがなく、対韓輸出制限を含め、その強い重商主義が表れているということだ」と分析している。

日本のRCEPにおける姿勢転換の真意とは。
今後の、中国とインドとの関係性にも注目したい。

参考: http://j.people.com.cn/n3/2019/1202/c94474-9637317-2.html